
離婚や別居の際のお金の問題としては、@財産分与、A慰謝料、B養育費、C婚姻費用などがあります。養育費については、「離婚と子供」のところで扱いますので、ここでは@財産分与、A慰謝料、B婚姻費用について説明したいと思います。
(1)財産分与とは、夫婦が結婚生活を送っている間に協力して作った財産を夫婦で分ける(一方が他方に分け与える。)ことをいいます。
(2)財産分与には、
@夫婦の共有財産の清算
A離婚による慰謝料的要素
B離婚後の弱者の経済的地位の保護としての扶養的要素
という3つの意味がありますが、その中心は@の清算的要素といわれています。
(3)財産分与の対象となる財産は、
@夫婦の共有財産(名実ともに夫婦の共有に属する財産)
A夫婦の実質的共有財産(名義は一方に属するが、実質的には夫婦の共有財産と認められるもの)であり、
B特有財産(一方が固有に所有していると認められる財産)は、原則として財産分与の対象にはなりません。
(4)専業主婦の清算割合については、従来は3割〜4割とされるケースが多かったようですが、近時は専業主婦であっても原則5割とするケースが多くなっています。
(1)離婚に伴う慰謝料とは、離婚の原因となった行為や離婚自体によって被った精神的苦痛に対する損害の賠償をいいます。
(2)慰謝料が認められるケースとしては、@不貞行為、A暴力、B犯罪行為、C悪意の遺棄、D性交渉拒否などがあります。もっとも、実務上は裁判で慰謝料が認められないケースも多いです。また、不貞行為の相手方に対しても原則として慰謝料請求が認められますが、詳しくは「不倫慰謝料」のところをご覧ください。
(3)離婚慰謝料が認められる場合でも、慰謝料の金額は機械的に決まるものではなく、具体的ケースに応じて様々ですが、0円〜400万円程度の範囲で支払われているケースが多く、平均的には200万円前後が多いようです。
(1)婚姻費用とは、夫婦が普通の社会生活をするために必要な一切の生計費をいい、具体的には、衣食住の費用、医療費、養育費、教育費などがこれに当たります。
(2)たとえ別居していても、法律上婚姻関係が継続している限り、婚姻費用分担義務は免れません。従って、例えば別居中の夫が生活費を送金してくれないような場合には、夫に対して婚姻費用の請求をすることができます。
(3)婚姻費用の金額は、法律上夫婦の「資産、収入その他一切の事情を考慮して」決するとされており、具体的には、夫婦の資産や収入、夫婦が別居に至った経緯、破綻の程度などの全ての事情を考慮して算定されることになります。実務上は、年収に応じたある程度の基準があり、それに基づいて具体的な婚姻費用が算出されています。